薬剤師は高給取りとのイメージが強い一方で、インターネットやSNSで「薬剤師はやめとけ」という意見を目にすることも。
薬剤師って、実際どうなの?
そんな風に疑問に思っている人も多いのではないでしょうか?
結論:「薬剤師やめとけ」は場合によります。
この記事では、「薬剤師やめとけ」、「やめたほうがいい」といわれる理由や、やめたほうがいい場合について解説していきます。
病院・薬局の両方で働いたことがある私が本音でお伝えします!
薬剤師やめとけと言われる5つの理由
薬剤師と言えば、安定していて高給取り…
そんなイメージも強く、高校生の、特に女子のなりたい職業ランキングには常連になっているような職業です。
それなのにやめとけと言われる理由をご紹介します。
- 学費が高い
- 職種によっては給料が安い
- 責任が重くプレッシャーを感じる
- 生涯にわたって学び続けることが必要
- 激務や人間関係などのストレスが大きい
学費が高い
薬剤師になるには、基本的に6年制の薬学部を卒業する必要があります。
通常の4年間よりも2年長いため、支払う学費も高くなります。
そのうえ私立の薬学部となると、学費は平均1200万円とかなりの高額に。
さらには実習費もかかりますし、教科書も専門書なのでかなり高額です。
実際に薬学部に進学する人は実家が裕福な人が多いですね。
そのため、金銭面の問題から「薬剤師やめとけ」といわれることが多いです。
私は奨学金を借りて私立薬学部に進学しました。
職種によっては給料が安い
高給取りのイメージの薬剤師ですが、職種によってはそうでもないのが実情です…
特に病院薬剤師は給料が低め。
実際に働いていた身としても、カルテも見れるし、カンファレンスに参加したりもできるしと、とても勉強になりました。
医療の最前線で働けるのでやりがいは大きいのですが、その分業務も多忙。
少ない給料で激務だと、モチベーションが続かずに辞めていく人も多いのです。
薬剤師なら楽して稼げると思っている人は、やめたほうがいいですね。
私もそうですが、初めは病院で勉強して、後から給料のいい薬局に転職する人が多いですね!
責任が重くプレッシャーを感じる
薬剤師は、患者の命に直結する重要な役割を担っています。
ミスは患者さんに重大な影響を及ぼすため、常に高いプレッシャーの中で仕事を行う必要があります。
これは結構大きなストレスですね。
そのためプレッシャーに弱かったり、責任感の無い人はやめたほうがいいでしょう。
薬剤師歴が何年目になってもドキドキしながら薬の監査(チェック作業)をしています。
生涯にわたって学び続けることが必要
薬剤師の免許自体は一度とれば一生ものです。
しかし新しい薬は毎年のように開発され続け、医療のスタンダードもどんどん変わっていきます。
そのため薬剤師は生涯にわたって勉強し続ける必要があります。
薬剤師生涯研修制度などといった自己研鑽を推奨する仕組みもあり、毎年一定以上の単位を取らないと認定が受けられなかったりもします。
免許さえとれば後は楽勝と思っていると、理想と現実のギャップに後悔してしまうこともあるかもしれませんね。
勉強するのが嫌な人は、薬剤師はやめたほうがいいでしょう。
私の場合は、薬や医療のことを勉強するのは知識欲が満たされて楽しいです!
激務や人間関係などでストレスが大きい
薬剤師の仕事が「やめとけ」と言われる理由の一つに、仕事が激務だったり人間関係のストレスが挙げられます。
ただし、これは薬剤師に限らず、多くの専門職に共通する問題ですね。
例を挙げるとすれば、当直のある病院や一人薬剤師の薬局などでは特に激務になりやすいです。
一人だと昼休みが取れないしトイレにも行けないという話も…
また病院ではいわゆる体育会系な風潮があるところも多いですね。
歴史があるぶん、上下関係や派閥などの人間関係で苦労するケースもあります。
ただの相性の問題のことも多いので、就職する際にはしっかり説明を聞いたり、見学することが大切ですね。
転職で解決する場合がほとんどなので、やめとけというほどの問題ではないでしょう。
転職を考えるならココ≫薬剤師の転職&派遣ならファルマスタッフ
人間関係やブラックな労働環境の問題は解決できるので悩み過ぎないようにしましょう。
薬剤師は飽和しているからやめたほうがいい?
今後のことを心配して「薬剤師やめとけ」といわれることもあるようです。
最近では薬剤師の飽和が叫ばれるようになり、就職できないという話もよく聞くようになりました。
しかし現状は、薬剤師はまだまだ足りていません。
地方や病院は薬剤師が全然足りていない
厚生労働省が発表している統計によると、確かに都心や人気の地域などでは、薬剤師が飽和してきています。
特に東京、神奈川、広島、兵庫、福岡などの薬局は薬剤師が余る傾向に。
一方、地方だったり、病院では慢性的な人員不足に悩んでいるところがたくさんあります。
全体としては薬剤師は少し不足しているという程度ですが、まだまだ薬剤師の需要はありそうです。
病院でも人員不足から少しずつ給料が引き上げられている傾向もあるようなので、病院希望の人には嬉しい傾向ですね。
薬剤師免許を持っていても働いていない人は多い
薬剤師の数は女性のほうが圧倒的に多いです。
結婚や出産でキャリアを中断する人が多いので、薬剤師免許を持っていても働いていない人は結構います。
また、結婚後はパートや時短で働く人も多く、正社員が足りていないケースも多いですね。
そのため人気の地域だとしても、いつでも一定数の募集はあるのが現状です。
他にも薬剤師にはなったけど、まったく関係ない仕事をしている人も意外といるので、実感としても統計データとはかけ離れています。
仕事の幅が広がっている
薬剤師の仕事は日々拡大しています。
病院では、今まで調剤室だけでの仕事だったのが、病棟にあがってベッドサイドで患者さんの服薬管理や指導をするようになっています。
薬局では、在宅医療が進んでおり、施設や自宅に薬剤師が薬を持っていって管理や指導をするようになりました。
これにより今まで以上に手厚いサポートができるようになってきました。
そのため患者さんごとに対応も変わってきますし、移動などでも時間がとられます。
もちろん調剤室や薬局に残って対応する薬剤師も必要なので、必要になる薬剤師自体も増えてきているんです。
今は薬剤師が足りているところでも、今後の業務拡大によって薬剤師を増やす必要が出てくる可能性も大いにありますね!
薬剤師の仕事はAIに奪われるからやめたほうがいい?
将来的に薬剤師の仕事はAIによって無くなるという話も耳にしますね。
結論から言うと、薬剤師の仕事は無くなることはないでしょう。
薬剤師の仕事には大きく分けて2種類あります。
- 薬を準備する仕事(調剤)
- 患者と接する仕事(服薬指導)
薬を準備する仕事(調剤)
調剤とは、医師の記載した処方箋によって、患者さんに合わせた正しい薬を準備するための業務です。
いわゆる、「テクニシャン」としての仕事の部分です。
これらの仕事はAIの導入がすでに始まっており、薬剤師の負担はどんどん軽減されています。
人がするよりも機械の方が正確にできる部分も多いですよね。
将来的には調剤のほとんどがAIに任されるのではないかと思います。
そのぶん、対人業務などの薬剤師としての知識が必要になる仕事に時間をさけるようになると期待されていますね!
患者と接する仕事(服薬指導)
AIに調剤業務を任せられたとしても薬剤師の仕事が無くならないのは、患者と接する仕事があるからです。
薬剤師が患者に薬を渡す際には、必ず服薬指導が必要です。
私たち薬剤師はその患者さんの年齢、性別だけでなく、体質や性格、その日のコンディションまで、様々な情報を加味してどんな指導をするか判断します。
また、服薬指導の際には副作用などの注意点も指導しますが、すべての副作用を伝えるわけではありません。
患者さんに合わせた内容をピックアップして伝えています。
副作用の起こる可能性が低いものなどもあり、全て伝えようとするときっと患者さんは怖くなって飲んでくれないでしょうね。
ほかにも話を聞いてほしいという患者さんも多いので、コミュニケーション能力も必要です。
このあたりは薬剤師が人間だからこそできる部分なので、AIにすべて置き換えるのは難しいでしょう。
AIはとっても便利だけど、すべてを任せるのは無理そうです。
薬剤師やめたほうがよかったとは感じていない理由
薬剤師のお仕事は、患者さんの健康を守る大切な役割です。
お薬の専門家として、薬の使い方や飲み合わせのチェックをすることで、患者さんが安心して治療を受けられるようにサポートします。
そんな薬剤師の仕事のメリットについて、私の考えを解説します。
- やりがいがある
- 自分や家族の健康管理ができる
- 働き方を選びやすい
- 仕事に困らない
- 経済的に自立しやすい
やりがいがある
薬剤師の一番のやりがいは、患者さんの「ありがとう」の言葉をもらえること。
医師や看護師に比べると目立たないかもしれません。
それでも薬のアドバイスが役立って、患者さんが心から信頼してくれると、とてもやりがいを感じます。
陰で患者さんの健康を守り、笑顔を支えることができるとても素敵な仕事です。
薬局には毎日いろんな患者さんが来られます。
日々勉強にもなりますし、新しい発見と出会いがいっぱいでやりがいを感じること間違いなしですよ。
自分や家族の健康管理ができる
薬剤師には薬だけではなく、基本的な医療の知識も必要です。
そのため、もし自分や家族が体調を崩しても自分である程度対処法がわかります。
市販薬で済む場合には、いちいち病院に行かなくてもじぶんでケアできるというメリットも。
(さらには処方内容が適切なのか判断できるので、良い医師かどうかもわかっちゃいます…)
働き方を選びやすい
薬剤師には病院、薬局、ドラッグストアで働く以外にも、公務員や製薬会社、医薬品卸、工場などいろんな仕事があります。
さらに正社員でフルタイムで働く以外にも、パートや派遣で働く選択肢があります。
薬剤医師には女性が多いので、産休・育休でキャリアを中断する人も多く、そういった働き方を選択しやすい環境が整っていることが多いです。
自分の希望に合わせて働き方を変えやすいのが嬉しいですね!
ライフステージで働き方が変わりやすい女性にはオススメ
仕事に困らない
世間一般的には、就活は履歴書の書き方からしっかり研究して、何社も面接を受けてやっと受かる…そんな感じですよね。
一方、薬剤師の就活は、職場をかなり選ばなければ楽勝です。
薬剤師の仕事はまだまだ人手不足。
結婚で退職していく人も多くいますし、育休中だけ派遣が欲しい!などといった募集も多いので就活にはあまり苦労しません。
人気の大病院なんかは落ちることも多いですが、ネームバリューを気にしなければそれより良い条件で採用されるケースはとっても多いです。
また、免許さえ持っていれば、大学のランクも大して問題になりません。
私も病院を1か所受けてそのまま採用になりましたし、転職の際もすぐに新しい職場が見つかりました。
経済的に自立しやすい
薬剤師の給料は思ったより少ない場合もあります。
それでも平均よりは高いですし、女性に限ってみるとかなり高くなっています。
全体 | 男性 | 女性 | |
平均給与 | 443万円 | 545万円 | 302万円 |
薬剤師の平均給与 | 583万円 | 637万円 | 540万円 |
万が一離婚になったりしても経済的に困ることが少ないのは大きなメリット。
仕事にも困りにくいことも含めると、薬剤師が女性に人気な理由も納得ですね!
私は全額奨学金で薬剤師になったので苦労はしていますが、後悔したことは一度もありません。
まとめ
本当に仕事がいいと思えるかどうかって、「自分の子供に勧められるか」かなって思います。
私は自分の子供には、自分からは勧めはしないかもしれませんが、本人がなりたいといえば、全力で応援します。
薬剤師という職業は、デメリットも抱えていますが、やりがいがある仕事です。
もし今薬剤師の仕事にやりがいが感じられていないなら、それは職場があっていないのかも。
そんな時は転職なども考えてみてもいいのかもしれませんね。
自分が楽しい!と思える環境がきっとあるはずですよ。
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薬剤師はやめとけとか、やめたほうがいいといわれるような仕事ではないですよ!
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